ストレッチについて
「在宅勤務が増えて運動不足になった」
「デスクワークが多く肩こりになりやすい」
「自分の姿勢が気になる」
デスクワークや在宅勤務が増えて、長時間同じ姿勢をとる方が多いのではないでしょうか?
実際にリハビリをしていても、同じ姿勢が続き痛みを訴える患者さんは少なくありません。
健康に対する意識も高まる中、まずは手軽にできるストレッチから始める方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、ストレッチについて解説していきます。
今回の記事でわかることは以下の通りです。
・ストレッチとは?
・ストレッチの効果
・ストレッチの種類
・ストレッチを行う際の注意点
ストレッチとは
ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、ケガの予防やリハビリ、疲労回復のための運動とされています。運動といっても、筋肉がつくわけではありません。
参考:(外部リンク:e-ヘルスネット)ストレッチの効果
ストレッチの効果は以下の通りです。
・関節可動域制限(柔軟性)の改善
・筋緊張の低下
・疲労回復
・障害予防
・スポーツパフォーマンスの向上 など
参考:市橋則明 ストレッチのエビデンス 理学療法学 第41巻第8号531〜534貢(2014年)
ストレッチの効果を挙げましたが、その効果は誰にでも当てはまるものではありません。
その意味を、ストレッチの効果から2つ例を挙げて解説します。
関節可動域制限(柔軟性)の改善は必ずではない?
ストレッチはあくまでも、‘‘皮膚や筋肉、脂肪組織、関節包’’などが原因の硬さに対して効果があります。
それに対して、“骨や軟骨”といった関節を構成するものが原因となる場合は、改善が難しいと考えられます。
例えば、猫背をイメージしてみてください。一度丸く固まってしまった背骨は元には戻りません。丸くなったとしても自分の力で伸ばせる柔軟性を確保できるか、ということが重要です。
人間は、常に良い姿勢を保つことはできません。姿勢の崩れを自分で気づき、修正できるだけの柔軟性や筋力を、ストレッチや筋トレで確保するということが大切です。
猫背の人のストレッチやスクワットについて、動画で解説しています。
(内部リンク:猫背の人のストレッチ)
(内部リンク:スクワット)
筋力や筋パワーが落ちてしまう⁉︎
その答えは、YesでもありNoでもあります。ストレッチにも、いくつか種類があり、ストレッチの方法や時間によっては、筋力や筋パワーの低下をするとの報告もあります。その逆もあり、筋力や筋パワーを発揮しやすくなるとの報告もあります。
ストレッチの種類と注意点を簡単に解説します。
ストレッチの種類
ストレッチは、大きく分けて2種類に分けられます。それぞれのメリット、デメリットを交えて、解説していきます。
静的ストレッチ
静的ストレッチは、反動をつけずゆっくりと筋肉を伸ばす方法なので、痛みも出にくく安全とも言われています。(リラックスして行う柔軟体操のイメージです。)
メリット
・反動をつけないでゆっくり行うため筋肉を痛めにくい。
・筋肉の緊張を低下させる方法として、最も適切な方法と推奨されている。
デメリット
・目的の筋肉に対するストレッチの時間によって、筋力や筋パワーが低下する。
(90秒以上はあきらかな低下があるとの報告)
参考:Behm DG, Chaouachi A: A review of the acute effects of static and dynamic stretching on performance. Eur J Appl Physiol. 2011; 111(11): 2633‒2651.
動的ストレッチ
動的ストレッチは、筋肉を伸ばすだけでなく、収縮を入れながら柔軟性や関節可動域を広げていきます。
近年では、筋力発揮を必要とするスポーツの場面でのウォーミングアップにも使われています。
メリット
・筋肉の収縮と弛緩を繰り返すこともしくは、反動をつけてリズミカルに伸長することで反発力や瞬発力の増強が期待され、パフォーマンスの向上につながると考えられている
・静的ストレッチに対して、ストレッチによる筋力低下の影響は少ない
デメリット
・筋肉が緩みにくいことがある。
・必要以上に大きな力が筋や腱に加わると痛めることがある。
それぞれメリットとデメリットはありますが、特徴をうまく使い分けて行い、効果的なストレッチができると良いですね。
ストレッチを行う際の注意点
ここまでは、ストレッチの効果や種類、デメリットを解説しました。
最後は、ストレッチを行う際の注意点をお伝えします。
ストレッチを行う際の注意点は、以下の通りです。
1、時間は最低20秒
2、伸ばす筋や部位を意識する
3、痛くなく気持ちいい程度に伸ばす
4、呼吸を止めないように意識する
5、目的に応じて部位を選択する
(外部リンク:e-ヘルスネット ストレッチングの実際)
ストレッチは、ただ伸ばせば良いわけではありません。
特に3番と4番は、痛みが強くなってしまったり血圧が高くなったりする場合があるため、無理なストレッチには注意が必要です。
まとめ
簡単に取り入れやすいストレッチですが、目的を明確にして行えるとより良い内容になると思います。
お風呂あがりやテレビを観ながらでも良いので、ぜひご自身でカラダをケアできるように取り組みましょう!