医療法人社団 弘人会中田病院

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Column記事・コラム

関節痛について

2024/01/23 15:32

関節痛を徹底解説!痛みが出る原因や病院を受診する目安とは?

関節痛が出てくると、歩けなくなったり、今までできていた生活ができなくなってしまったり、さまざまなことが起こります。

「膝や足の付け根が痛くて歩けない」

「指が痛くて、生活が困難になってきた」

このようにお困りの方が、多くいらっしゃると思います。

今回は、関節痛について解説し、痛みが出る原因や病院を受診する目安、自分で行う対処法について解説します。

なぜ関節痛が生じるのか?

関節の痛みの原因は、様々です。

例えば、スポーツ中の怪我が原因の関節痛もありますし、関節リウマチ、感染性関節炎、痛風発作、インフルエンザなどの病気が、関節痛を引き起こしたりすることがあります。

しかし、関節痛として最も一般的なのは、変形性関節症です。

変形性関節症は、加齢と共に骨と骨の間のクッションとして機能する軟骨が摩耗し、それが原因で痛みが発生します。

変形性関節症の発端

変形性関節症が特に発生しやすいのは、膝や股関節です。

変形性関節症は、加齢と共に症状のある方が増えます。

膝や股関節に負担がかかり続けると、歩行時や立ち上がり時などに、痛みを感じるようになってしまいます。

また、関節軟骨や半月板がすり減り炎症が引き起こされ、関節が腫れ熱を持ったり、水がたまったりすることもあるのです。

慢性的な炎症では、関節を包む袋(関節包)が硬くなってしまうため、関節の可動域が制限されることもあります。

肥満傾向の人や激しいスポーツをする人は、関節に過度な負担がかかるため、症状が早期に現れることもあります。日頃からの体重管理や、怪我の予防が重要です。
また、加齢に伴い体力が低下すると、関節痛の症状が出やすくなるため注意しましょう。バランスの良い食事や適度な運動をすることで、健康的な体を目指せます。

関節痛になってしまった時の対処法

痛みが強い場合は、関節リウマチや感染性の関節炎など、他の疾患の可能性が考えられます。適切な治療を受けるためには、専門医の診断が必要です。早めに病院を受診するようにしてください。

痛みが弱く、一時的な場合は、セルフケアで対処できる可能性もあります。

原因や症状に応じてサポーターや内服薬、リハビリなどを利用すると効果的です。

以下の情報も参考にしつつ、関節痛に対処してみましょう。

医療機関の受診をおすすめする場合

以下のような場合、医療機関の受診をおすすめします。

激しい痛みや高熱がある場合

インフルエンザ、関節リウマチ、感染性関節炎、痛風などが疑われます。
関節に炎症が起きている可能性がありますので、早めに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

変形性関節症が悪化した場合

元々、変形性関節症の診断を受けている方で、痛みが強くなる方もいます。痛みが強く、歩きに支障が出てしまう場合は、早めに診察を受けましょう。

転ぶ危険性もあるため、歩く道具の変更も必要かもしれません。

セルフケアできる場合

以下のような場合は、セルフケアができる可能性があります。しかし、痛みが軽減しない場合や長続きする場合は、医療機関への受診を考えてみてください。

痛みが一時的であり激しい痛みがない場合

痛みが軽度で、関節周りの筋肉が硬くなっている程度の痛みであれば、温めたりマッサージを行ったりすることで、症状が和らぐ可能性があります。

サポーターの利用も検討する

関節を冷やしたり、無理な負担をかけたりすることで、痛みを引き起こす場合があります。そのため、サポーターを使うことも一つの手段です。

保温効果のあるものや、関節を支える機能があるものなど、用途に応じて適切なサポーターを選びましょう。

関節痛を予防するためには

関節痛は、日常生活の影響が大きく、関節に負担をかけすぎてもいけないですし、安静にしすぎてもいけないです。

過度に安静にしてしまうと、

動かさない→関節が痛む→さらに動かさない→さらに痛む

といった悪循環に陥ることもあります。

このような状態にならないように、以下のポイントに注意しましょう。

筋肉を鍛える

関節を動かさないと、まわりの筋肉が衰え、動きが悪くなり、痛みが出やすくなります。

元気に歩きつづけるためにも、日頃から適度な運動を心がけ、足腰の筋肉を鍛えましょう。また、鍛えた筋肉が固くならないように、簡単なストレッチや水中ウォーキングなどの有酸素運動をすることもおすすめです。

関節に負担のかかりにくい動作を心がける

関節を守るためには、普段の生活で関節に負担をかけないよう気を付けることが重要です。

具体的には、足腰を上手に使い、1つの部位に負担が集中しないように気をつけましょう。

また、洗濯物を干すときや掃除機がけの時など、過度に腰を曲げないように工夫をし、床からものを持ち上げる時も、腰だけで持ち上げようとはせず、足全体を使って持ち上げるような動作をすることで、各関節の負担を分散できます。

関節を冷やさない

関節を冷やすと、関節周囲の血流が悪くなり、痛みが出やすくなります。

関節は、冷やさず温めるように心がけましょう。

入浴や、膝を温めるサポーターの利用などを検討してみると良いでしょう。

ただし、関節が炎症を起こして腫れている場合は、冷やすべきです。

関節を冷やすべきか、温めるべきか、迷った時には医師に相談してみましょう。

体重を適切に管理する

体重の管理も、関節痛の重要な要素です。

関節には、体重以上に負担がかかっています。

標準の体重よりも増えてしまっている人は、適切な体重を目指し、関節への負担を減らしてきましょう。

ケガを防ぐ

スポーツや仕事などで、過度な負担をかけると関節痛の原因となります。

関節への過度な負担を避けるように、気をつけましょう。

スポーツでは、

・十分な練習を行う

・事前に筋力トレーニングを行い、怪我をしにくい体にする

・動作練習をしっかりと行い、怪我をしやすい動作にならないようにする

などが怪我の防止として考えられます。

 

仕事では、

・重たいものを無理に運ばない

・重たい仕事は、他の人に助けを求める

・運動不足にならないように日頃から体を鍛える

・仕事上の動作が片側に偏らないようにする

などを行い、怪我を防止していきましょう。

まとめ

関節痛は、さまざまなことが原因で発症します。中でも多い原因の一つに、変形性関節症があります。

軽い痛みであれば、自分で対処できることもあります。代表的な対処方法は、関節周りの筋肉を温めることや、サポーターの使用などです。

激しい痛みを伴い、熱もあるような場合は、関節炎や何らかの病気の可能性があります。早めの病院受診をお勧めします。

関節炎を予防するためには、以下のことに気をつけましょう

・筋肉を鍛える

・関節に負担のかかりにくい動作を心がける

・関節を冷やさない

・体重を適切に管理する

・ケガを防ぐ

関節の痛みが軽くても長く続く場合には、早めに医療機関を受診し、適切な対処をしていきましょう。