Recovery rehabilitation回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟とは
脳血管疾患や骨折などの急性期病院で治療を受けて、病状が安定し始めた発症から1~2ヶ月後の状態を『回復期』と言います。
この時期に集中的なリハビリテーションを提供し、日常生活を送るのに最低限必要な日常的な動作(寝起きや移動、トイレや入浴、食事、着替えなど)の改善を図り、寝たきり防止と家庭や社会への復帰を目指すための病棟を『回復期リハビリテーション病棟』といいます。
患者様お一人お一人のリハビリテーションプログラムに基づき、看護師、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などの多職種がチームとなり、入院初日から退院まで、集中的なリハビリテーションを毎日提供いたします。
回復期リハビリテーション病棟5つの強み
日々のリハビリテーションで「できる」ようになった日常生活の動作を、病棟の生活の中でも実践し身につけていくことはとても大切です。私たちは、病棟での生活すべてをリハビリテーションの環境と考え支援します。
- 専門のリハビリスタッフが、365日体制でリハビリを行います
- 早期回復には、発症からできるだけ早く、集中的に、リハビリテーションを行うことが効果的とされており、生活の再建には日々の生活に必要な動作を再現して改善を目指す必要があります。
当院では、入院初日から退院まで、専門スタッフによるリハビリテーションを毎日提供いたします。
- 専門専属のプロチームがサポートします
- 医師や病棟専属のリハビリスタッフ、看護師、医療相談員など多くの専門職がひとつのチームを形成します。
それぞれの専門性を活かし、一日も早い社会・在宅復帰を目指して患者さまに合ったリハビリテーションを計画し、サポートします。
- 退院後の生活を視野に入れたリハビリケアを行います
- 自宅での生活がしやすくなるように、入浴やトイレ、キッチン、和室など、患者さまの状態に合わせた環境でリハビリテーションを行っていきます。
また、ご自宅をお伺いし、退院後の生活環境・生活リズムを踏まえたリハビリケアも実施していきます。
- 二次救急指定病院にある病棟なので安心です
- 病状や心身ともに安定しない急性期リハビリテーションの経験、細やかな安全対策の経験を活かしたリハビリテーションを提供します。
また、入院中の急な症状の変化にも対応が可能なため、安心して治療を受けていただくことができます。
- 退院後も継続して地域での生活をサポートします
- 当院では、外来・訪問看護でもリハビリテーションを提供しています。
これらを上手く組み合わせ退院後も安心して生活ができるよう、関係機関や居宅介護支援事業所などと日々連携を図り、ご自宅での療養生活までをトータルにサポートしています。
リハビリテーションとは、人間らしい生活を取り戻すという意味です。
365日個別リハビリテーションを行っています。
チームアプローチ
当病棟では看護師やケアワーカーだけでなく、リハビリテーションスタッフや医療相談員も一緒に病棟で業務を行っています。このような多くの専門職種での取り組みはチームアプローチと呼ばれ、通常の関わりよりも治療効果が高いと言われています。リハビリテーションも専門職種だけでなく、他の職種の意見を取り入れたり、協力を得たりしながら行っています。
回復期リハビリテーション病棟の取り組み
起床から就寝時まで、できるだけベッドから離れて、「廊下を歩く」「食事をとる」「トイレに行く」「お風呂に入る」などの日常生活に必要な動作ができるように、患者さま一人一人にリハビリテーションを提供していきます。
与えられた時間を大切にし、目標に向かって、私たちと一緒に頑張りましょう。
リハビリテーション
個別リハビリテーション
24時間、365日のすべてがリハビリテーション
理学療法
作業療法
言語聴覚療法
自宅での生活が行いやすくなるように、入浴やトイレ、キッチン、和室など、ご自身の状態に合わせた環境でリハビリテーションを行っていきます。 リハビリテーションは、症状や障害の程度、退院後の生活環境や生活リズムを考慮した個々のプログラムを作成し、1日に1~3時間、リハビリの専門スタッフが進めていきます。
- 理学療法:
身体機能のリハビリ - 寝返る・起き上がる・立ち上がる・歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指していきます。
患者さまごとに担当者が付き添い、サポートします。
- 作業療法:
生活のリハビリ - 入院前の生活となるべく近い状態に戻れるように、患者さまごとに違った生活動作(着替え・排泄・入浴など)のリハビリを行います。洗濯・掃除・調理のほか、趣味や創作活動などの楽しみもリハビリの一環として行います。
- 言語聴覚療法:
話す・聞く・食べるリハビリ - 日常のコミュニケーション(言葉を発したり理解したりすること)に支障がある方、食べたり飲んだりすることに支障がある方へのリハビリを行い、サポートします。
寝たきり防止(回復期デイサービス)
参加自由。 単調になりがちな入院生活に変化を。
寝ている時間が長くなると、どうしてもリハビリテーションの効果が得られにくくなります。
当院では、「リハビリや食事以外の時間帯もできるだけベッドから離れて過ごしましょう!」をテーマに、病棟内の「院内デイサービス」で運動や趣味活動、様々なイベントを企画し、楽しみながら活動する場を提供しています。
ナースリハビリテーション
個別リハビリ以外の時間にもリハビリテーション
すきま時間には看護師がリハビリを行います。繰り返し行うことで回復が早まり、身の回り動作の定着にも効果的です。
ナースリハビリでは、寝起きやトイレなどの日常生活動作の中でも、患者様本人が自力で動く事を重視しています。
これは過剰な介助する事による「回復遅れ」に繋がらないようにしています。「できる事」と「介助すべきこと」を見極め、リハビリの視点も配慮した関わり方を実施しております。
具体的な取り組み
リハビリテーション担当医師を中心に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、医療相談員など多くの専門職がひとつの医療リハビリチームとして協力し合い、在宅退院に向けて患者さま・ご家族さまをサポートいたします。また、当院の回復期リハビリテーション病棟は二次救急指定病院にある病棟なので入院中の急な症状の変化にも対応でき、安心して治療を受けていただくことができます。
家族面談(ご家族への支援)
今後の目標、退院後の生活について話し合います
患者さま及びご家族の方へ現在の病状や心身状態について説明いたします。
患者さまが日頃 「している動作」と、リハビリテーションを行っている際などに「できる動作」を確認しながら、今後の方向性や退院後のことについて話し合いを行います。
総合・内容別カンファレンス
専門的視点から意見を出し合い、情報を共有します
患者さまに関わる全てのスタッフによる話し合いを定期的に実施しています。
患者さまが少しでも早く病前の生活へ復帰できるよう、現状の問題点の把握や目標を全スタッフで共有し、その方に合わせたサービスを提供できるよう努めています。
家庭復帰支援(退院後を見据えたサポート体制)
病院にいる期間はほんの数か月。だからこそ、退院後の生活のことを入院中から、徹底して考え、サポートします
- 必要に応じて入院時のご自宅訪問
- 入院早期にご自宅の状況を確認させていただくことで、退院後の生活を想定したリハビリメニューを計画します。
- ご家族への介護支援活動
- 自宅生活に必要な介助方法(生活全般)の指導を行います。ご家族の介護負担に配慮し、技術習得を援助します。
- 必要に応じて家屋調査 (退院前訪問指導)
- 退院後は以前と異なる生活を余儀なくされることもあるため、ご本人同行のもと自宅訪問し、生活環境の評価・介護指導・アドバイス等を行います。
- 在宅支援関係者への情報提供
- サービス担当者会議(介護保険)の場や、文書などにより、現在の心身状態の説明や情報提供、今後の生活に向けてのアドバイスなどを行っています。
- 退院前説明
- 病状の経過や看護、介護、リハビリテーションの状況や在宅サービスの調整について説明します。ご本人やご家族のご要望や退院に向けた調整を行います。外出・外泊を行い、自宅での生活を体験します。
- 退院前説明 退院後のリハビリテーション
- 退院後は、ご自宅に訪問する訪問リハビリ、ご自宅から通われる通所リハビリ、外来リハビリなどがあります。当院のリハビリを受けられる場合は早期介入し、よりスムーズに自宅での生活に戻ることが可能です。ご相談下さい。
スケジュールボード
ご自宅での生活をイメージして起床から就寝に至る1日の流れの動作すべてを実践的に練習します。更衣をしてリハビリをし、食事は食堂、排泄はトイレを原則にけじめのある生活を送っていただき在宅復帰を目指します。
- 1日を主体的に過ごせるようにスケジュールボードを設置しています。
- 事前にスケジュールを把握できるので、1日の過ごし方をご自分で組み立てていただけます。
(5)家屋調査
退院後の生活を見据えた家屋調査を行っています。手すりなどの住宅改修や、家の中での動作の提案などのアドバイスを行います。退院後の介護サービスについても一緒に検討します。
入院から退院まで
入院対象
回復期リハビリテーション病棟では、入院可能な条件が厚生労働省によって決められています。
入院対象疾患 | 病棟に 入院できる 最長の期限 |
---|---|
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後もしくは手術後の状態または義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷の発症後又は手術後 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折または2肢以上の多発骨折の発症後 または手術後の状態 | 90日 |
股関節または膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態 | 60日 |
※急性期病院での治療が一段落したら、できるだけ早く当院に入院していただけるよう、地域医療連携室を中心に様々な急性期病院と連携しています。
入院の窓口
- ご入院の相談は、当院の地域連携室(0480-61-3122)までお問い合わせ下さい。
- 診療情報提供書・ADL表を地域連携室までFAX (0480-61-4467)にてご送付ください。
書式に関しては下記よりダウンロードできます。 - 頂いた情報をもとに判定会議を行い、受け入れについて協議します。
協議の結果はお電話にて連絡いたします。 - 入院中は当院の医療相談員にご相談ください
当院の体制
職種 | 人数 |
---|---|
医師 | 3人 |
看護師 | 21人 |
ケアワーカー | 12人 |
理学療法士 | 18人 |
作業療法士 | 7人 |
言語聴覚士 | 1人 |
医療相談員 | 2人 |
管理栄養士 | 1人 |
病棟クラーク | 1人 |
回復期リハビリテーション病棟の資格
資格 | 人数 |
---|---|
認定理学療法士 | 2人 |
回復期セラピストマネジャー | 1人 |
当院の成績
在宅復帰率
転院や転棟した人は含まないので、原則的に「日常復帰が可能」「リハビリが在宅内で可能」という状況になった患者さまを数えています。
基準値 | 全国平均 | 当院年間平均値 | |
---|---|---|---|
令和2年度 | 70%以上 | 79.40% | 92.90% |
令和4年度 | 70%以上 | 77.90% | 91.10% |
実績指数
回復期リハビリテーション病棟から退院された患者さまの機能的自立度評価(FIM)が、入棟時と比べどのくらい回復したかを点数化し、それに要した入棟期間を所定の計算式に当てはめ算出します。
また、当院は回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準を届け出しており、実績指数40 点以上が要件となっています。
基準値 | 全国平均 | 当院年間平均値 | |
---|---|---|---|
令和4年度 | 40点以上 | 44.7点 | 58.2 点 |
全部で18 項目(1項目1~7 点)あり、合計18~126 点(点が高いほど実生活で自立した生活が送れていることを意味します。)
原因疾患別にみた入院患者の平均年齢
全国 | 当院 | |
---|---|---|
脳血管疾患 | 73.7 歳 | 71.8 歳 |
整形疾患 | 80.4 歳 | 79.6 歳 |
廃用症候群 | 81.0 歳 | 80.0 歳 |
原因疾患別にみた平均在院日数
全国 | 当院 | |
---|---|---|
脳血管疾患 | 81.6日 | 80.3日 |
整形疾患 | 55.0日 | 42.0日 |
廃用症候群 | 54.3日 | 61.8日 |
原因疾患別にみた当院(回復期)への入院割合
全国 | 当院 | |
---|---|---|
脳血管疾患 | 43.8% | 11% |
運動器疾患 | 46.4% | 87% |
廃用症候群 | 8.0% | 2% |
脳血管疾患の患者さまも積極的にお受けしております。
1日平均リハビリ提供単位数(平日)
脳血管疾患 | 整形疾患 | 廃用症候群 | |
---|---|---|---|
全国 | 6.87 単位 (2時間17分) | 5.59 単位 (1時間51分) | 5.84 単位 (1時間56分) |
当院 | 6.41 単位 (2時間08分) | 5.04 単位 (1時間40分) | 4.15 単位 (1時間23分) |
リハケア効果 【原因疾患別にみたFIM利得とFIM 効率】
脳血管疾患 | 整形疾患 | 廃用症候群 | |
---|---|---|---|
全国 | 0.29点 | 0.47点 | 0.34点 |
当院 | 0.34点 | 0.55点 | 0.35点 |